【旅日誌 VOL.7 : 南アルプスの林道群】 実走 平成８年１０月
＜1日目＞
朝５：３０に自宅を出発して一路韮崎を目指して中央道を快調にとばす。韮崎インタ
ーチェンジを降りて林道マップを見ながら【長峰林道】へ入ろうとしたが、工事中通
行止めの看板が出ており、最初から大きな障害にぶち当たった。取りあえず進んでみ
るが、しばらくすると路肩が崩壊しており、復旧作業を行っていた工事のおじさんに
許可をもらい更に進む。この林道の途中右側には【鳩打林道】が分岐しており、どこ
まで続いているのか試しに入ってみる。５ｋｍ程先で行き止まりとなり、掘削工事を
行っていたため引き返して本線に戻る。本線はいよいよ【櫛形山林道】へ続き、舗装
とダートが入り交じった路面となる。ダート部分はそこそこに荒れていて面白い。山
々の紅葉はまだ最盛期ではないが赤と黄色のコントラストが見事である。この林道を
抜けると【丸山林道】へ突き当たり、更に山奥へ林道が続いている。この林道は崖崩
れや崩落で通行止めになることが多々あり、ダート部分はかなりおいしいという話を
聞いていたので、ワクワクしていたのである。櫛形山頂へ向かう林道の支線と分岐す
る場所大きな広場になっており、ここを過ぎると目の前に南アルプスの山々が飛び込
んできた。紅葉は素晴らしく美しい。下り坂はダートが中心で、噂通りの荒れかたで
全く気を抜けない状態がしばらく続いた。特に湯川橋付近は深い谷間で、最高の雰囲
気だった。このあとは奈良田の集落まで九十九折りの道を一気に下って行き、奈良田
では久しぶりに見た奈良田湖が美しく、大きな河原（水の流れているところはすごく
少ない）は相変わらず変わっていなかった。女帝の湯へ向かい、ヌルヌルした温泉に
ゆっくりとつかる。１４：００に奈良田を出て、いよいよ最大の楽しみであった【野
呂川林道】へアプローチする。橋を渡りトンネルを抜けて、いよいよ林道に入ってい
く。この林道は崩壊と整備を繰り返す事で超有名である。水の滴る素堀のトンネルを
いくつも抜けて、広河原へ着いたのは１６：００だった。広河原キャンプ場はサイト
まで吊り橋を渡らないとたどり着けないため、スーパー林道入口付近の広場にバイク
を停めて道具一式を手に持ってサイトへ向かった。標高１５００ｍのキャンプ場は、
山屋さんが２組テントを張っているだけでとても静かな夜であった。
＜２日目＞
朝目覚めると外は快晴。気温はテントの中で３度である。秋も深まり朝晩の冷え込み
が厳しくなってきた。朝食後クロージングを済ませ広河原を出発する。南アルプスス
ーパー林道（全舗装）を芦安村まで延々と下っていく。右手には昨日走ってきた野呂
川林道が川を挟んで見え隠れしている。夜叉神トンネルを抜け、芦安村に着いた後温
泉に入る。この温泉施設は最近できたばかりで内装も抜群、露天風呂、内風呂、休息
所付きで５００円である。温泉に浸かり、リフレッシュしたところで再び国道へ戻り
、今度は北上する。目の前に見える甘利山の林道をこれから喰らうのだ。最初は入り
口のよくわからない【鈴嵐林道】である。最初はゴロ石や剥き出しの岩があって、走
りごたえ十分である。沢沿いに上っていくのだが、ダートのタイトカーブが多く、ま
ったく気が抜けない。距離自体は６ｋｍとショートコースだが味のある林道だった。
林道の終点は【御庵沢小武川林道】へ突き当たり、左折して更に山頂を目指す。この
林道は比較的フラットダートで走りやすかった。また今年も甘利山猿軍団に会うこと
ができ、感激したのもつかの間、道は完全舗装の甘利山公園線に突き当たった。ここ
を右折、甘利山の山頂へ着いたが駐車場は無人の車が何台か駐車しているだけで、閑
散としていた。ここから先は【小字沢林道】に入るわけだが、入り口付近に工事中通
行止めの看板が出ていた。様子を見に少し進むと本当に工事をしていて、作業員に交
渉したがダメであった。結局今まで走った林道をかなり戻って【小武川林道】に接続
し小武川沿いにフラットダートを進んだ。更に山の上の方には【林道御座石線】【精
神ケ滝林道】があるが去年自転車で走ったので今回は省くことにする。【小武川林道
】は今までに３回走ったことがあるが、車がすごい勢いで走っていくので砂埃が半端
ではない。国道２０号線に出てからは白州町に入り、大坊にあるオートリゾートビッ
クランドキャンブ場を目指した。キャンプ場に着いて、明日の天気を確認したところ
夜中に雨が降り出し、朝まで続くという情報なのでバンガローを借りてその中にイン
ナーテントを張った。（なんでインナーをと・・・バンガローの中に蜘蛛がいっぱい
存在していたからである。）
＜３日目＞
天気予報は完全にはずれていた。朝からピーカンで雨の降った形跡も全くない。オー
ナーに挨拶を済ませキャンプ場を後にした。近くにある【大武川林道】へ向かい、こ
の旅のラストを飾ることにした。この林道はピストン林道で途中に【桑の木沢林道】
が分岐している。この林道もちろんピストンで、最後の最後は４駆でもかなりきつい
勾配と荒れ方だ。本線を進む。大武川沿いにグングン登っていくが、結構荒れていて
面白い。終点は何の変哲もない広場で終わる。林道をUターンして国道２０号線へ戻
り、中央高速で帰路についた。
以上