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関東地方は本格的な梅雨入りが直ぐそこまで近づいて来ている季節。天気は周期的に目まぐるしく変わって週間予報もまったく当てにならない日々が続いていた。今年も恒例の林道ヲタク定例オフ会が開催され、今回は伊豆半島の修善寺近くの山中広場で行われることになった。伊豆半島で何かしらのアクティビティを絡めてオフ会へ参加すべく検討した結果、以前から妄想計画を描いていた「閉ざされた林道調査シリーズ」続編が浮上。伊豆半島内における今となっては車やバイクで走行出来なくなってしまった林道を徒歩や自転車で踏査する林道浪漫。過去4回ほどシリーズでレポートを執筆してきた経緯もあるので、今回は伊豆天城にある【本谷林道】【岩尾林道】【松山林道】【長野林道】の4本をマウンテンバイクで調査する計画に踏み切った。尚、今回これらの林道を含めて伊豆半島内の閉ざされた林道群はゲートの規制が厳しく、基本的に許されるのは登山者やサイクリストのみの世界です。入れたとしてもオフロードバイクなどでの進入はトラブルの原因となり兼ねないので御注意下さい。日曜日でも林道内で作業をしている可能が多々あります。

今週末の土日。コロコロ変わる週間予報と睨めっこするのも疲れ果てていた。前日金曜日に下されたオフ会開催の判断は実施。金曜日から降り続く雨は明日夕方遅くから上がる見込みで、日曜日は晴れ間となる予報だ。来週土日も予備日が設定されていたが、生憎土曜日に病院の検診が入ってしまって、この土日にオフ会が催行されることを切に願っていたのだ。オフ会翌日の日曜日に林道調査を設定したので、土曜日当日は降り続く雨の中を昼頃に千葉を出発。日中でも休日割が適応されるので深夜割と同等の割引で東名道を移動できる。この天気で土曜日の午後ともなれば、これから観光地へ向かう車は少ないだろうと予測していたが、横浜青葉から海老名SAの手前まで渋滞10キロ以上。この区間のノロノロ渋滞を抜けて新東名道の長泉沼津インターから伊豆縦貫道へと入る。伊豆半島内部へのアプローチ方法として、もはやこのルートは鉄板的な存在になっている。伊豆半島内に入る頃は小雨になって雲もだいぶ明るくなってきた。これは思ったより天気の回復が早いのでは？と期待を膨らませてしまう。修善寺インターを下りてからナビどおりにオフ会会場へ向かうべく細い山道を進んでいき、16時少し前に現地へ到着。

今回の参加者は過去20年以上続けて来たオフ会参加人数の最下位で6名。みんな年齢を重ねるにつれて色々と身体的な不都合も多くなるのは当然だ。私も前回のオフ会は下肢が動かなくてバイクにも乗れない状態だったわけで･･･。まだ怪しい降雨に備えてトランポサイドにタープを設置。焚き火も無事に点火して酒池肉林のオフ会は開催された。明日は自転車での行脚を控えているので深酒は出来ず、ビールもアルコール度数の低いヤツでやり過ごす。そして申し訳ないけど22時に早めの就寝。明日に備えることにした。

2日目

世話人の寝袋さんが仕事のために早出となるため、オフ会翌日の朝はみんないつもより少し早起き。天気は靄がかかっているが雨の心配はないようだし、天気予報はそんなに悪くない。各自が各々勝手に朝飯を喰らい、現場の跡片付けを早々と行って全ての痕跡を消す。これが野宿人の掟なのである。8時前に今回のオフ会は散会。山道を下って里となる修善寺へ向かう。私はそのあと「道の駅天城越え」へ向かわなければならないので、そのまま国道414号線を南下して天城エリアへ。道の駅にトランポをデポして自転車の準備を整える。空は曇天で高曇りだが、時折バラつく微雨が気になる。まぁ天気予報を信じて予定どおりのルートを辿ることにしよう。

道の駅は9時に出発。国道414号線を天城トンネル方向へと進む事になるが、ルート的には登り基調なので最初からスピードは上がらない。押したり乗ったりの繰り返しで先が思いやられる。本谷川沿いの国道を暫く南下すると左手に旧道の天城峠越えルートがダートで分岐する。このルートは2ヶ月前にバイクツーリングで通過したので記憶に新しい。木陰の続く静かなフラットダートをゆるりと登坂。やがて水生地の東屋地点へ到着し、左手にお目当ての禁断林道【本谷林道】への分岐が現れる。当然ゲートは閉鎖されているが登山者はゲートを通り抜けて林道へ入れる。もちろん自転車も通り抜け可能だ。今までの長い経験上、途中で林業関係者に出会っても自転車ならお咎めを受けることは皆無であるが、これが動力付きの乗り物になると話は別である。特に伊豆半島内の禁断林道群はその傾向が強いので、過去の調査はすべて徒歩か自転車で行っているのだ。

【本谷林道】の序盤は初っ端から舗装された勾配のきついルートで完全に押し登坂。乗車は無理。そして現れる待望のダートがその辛さを紛らわしてくれる。勾配が一気にゆるくなったところで右手に分岐するのが【本谷林道支線】である。地形図上では600メートル程のピストンだが、今回は自転車なので支線探索は全て省くことにしている。等高線の状態からもゆるい勾配の登りが続き、やがて左手に新たな支線林道が分岐。現地表記はないが後に調べたところ【エサシノ峰林道】という名称だった。地形図によれば1.5キロ程のピストンである。そして本線は直ぐまた先で右手に分岐するのが【白砂林道】である。この林道も地形図によればピストンで2キロ弱の距離のようだ。

そして丸山が正面に近づく頃、右手鋭角に分岐するのが【岩尾林道】であり、この林道出合いまでが【本谷林道】の区間となる。【岩尾林道】は地形図によればこの林道出合いから1キロ弱でドンツキとなり、その先は八丁池へ至る登山道となっている。さて本線となった【岩尾林道】を徐々に下って行くことにしよう。丸山の西側を大きく回り込むように下り坂ルートが続き、やがて右手鋭角に【岩尾支線林道】が分岐する。因みに当該林道の接続先は【天城(岩尾支線)林道】及び【天城(岩尾支線)林業専用道】を経て【筏場林道】へ完抜するスペシャルルートだ。尚、このルートの完抜秘話については数年前のレポートで綴っているのでご覧頂きたい。本線ダートは快適な下り傾向で気分は最高。岩尾川を渡り標高差300メートル程を下って【岩尾林道】の出口ゲートに到達。ゲートは当然厳重にクローズされており、ゲートの左側を何とか抜けて通過。因みにバイクの通り抜けは物理的に100%不可能であるし、恒常的に一線を越える通り抜けは気が引けるし後味が悪い。

ゲートを通過すると舗装された分岐路となり、左手下り坂は与市坂と呼ばれるルートで国道414号線へのショートカットだ。そして右手に続く簡易舗装された林道は【松山林道】で、少し先にクローズされたチェーンゲートがある。ゲートの横を抜けて奥へ進む事になるが、勾配のきつい簡易舗装ルートは乗車できずに暫くは押しで登坂。与市坂川を横切るあたりから勾配が緩くなって乗車可能となる。橋の上でカレーパンひとつの軽い昼食を取って一休みだ。そして始まる期待どおりのダート。ややウェッティな路面で緩やかに登坂していく。そして前方に日曜日だというのに作業車を3台確認。こういうケースがあるのでバイクでの進入はリスクが高くなるわけだ。作業者の姿は確認することなくこのポイントを通過。やがてこのルートで最高ピークとなる526地点が近づく。

ダートはいつしか途切れて【長野林道】に合流してその先は緩やかな下り勾配の舗装路が続く。そして現れる開放されたチェーンゲートを通過。通常はクローズされているチェーンゲートも作業車の往来のために解かれているのだろう。長野川沿いに続く下りルートは快適そのもの。箒原地区を抜けて左手に広がる棚田の美しい風景に見とれつつ先を急ぐ。やがて県道に突き当って左折。その先もスピードを出せる快適なダウンヒルが続くが、下り切ったその先にはまだ地獄が待っているのだ。

国道414号線に突き当たってから左折。温泉で有名な湯ヶ島地区を抜けてデポ地となる道の駅までは登り基調のつらい道程だ。当然スピードも落ちるし、疲れたら押しに入るので中々距離か稼げない。浄蓮の滝付近を過ぎてもまだまだつらい道が続き、道の駅が射程距離に入る頃、しぶとく長い続いた登り坂に終止符を打つ。道の駅天城越えに無事に帰還。最後の最後がホントにきつかった。出発時そして帰還時の国道414号線登坂が一番辛かったかもしれない。トランポに戻って着替えてから車を木陰の区画へ移動。涼しい風を受けながらしばし昼寝タイム。今夜は大仁にある伊藤園ホテルに予約を入れてある。日曜日のこの時間からの自宅帰還は高速道路の上り渋滞に確実にハマるので、予めこれを予測して安宿の伊藤園ホテル宿泊を手配していたのだ。せっかく伊豆に来たのだから温泉も入りたいしね。2時間ほど大休息をしてからトランポに自転車を積んで国道414号線を北上。ホテルのある大仁温泉へと向かう。そして小高い丘の上にある伊藤園ホテル大仁にチェックイン。夕食は19時頃になるので温泉にゆっくり浸かってノンビリすることができた。最近は可能な限り洋室ベッドの部屋ばかりだ。布団から寝起きするのに慣れてないし身体的にも辛くなった。もう歳だねぇ。翌日は月曜日なので東名道用東京料金所手前に日々発生する通勤時間帯渋滞を回避する時間を睨んで9時過ぎに現地を離脱。大した渋滞にも捕まらず昼頃に無事帰宅となった。