【旅日誌 VOL．28：足柄山･明神ヶ岳周辺の林道群】 実走 平成10年3月中旬
＜１日目 晴れ＞
今回は今年最初のキャンプツーリングとなる。１月末にに自転車で筑波山の林道
へ出かけた以来なので久々の出撃である。天気予報では２日間は晴れるそうなので、
富士山を間近に眺め、ゆっくりのんびりと野宿しながら林道を徘徊できそうである。
早朝７：００にパッキングを済ませて自宅を出発する。パッキングの中には積雪を
予測して、アイゼンとタイヤチェーンを忍ばせた。東名道で一気に西へ進んでいく
。港北ＳＡで一息入れているとサラリーマン風の男性に声をかけられた。この人も
ライダーらしく、私の使っているＦＸホーネットの事で話が弾んだ。最近発売され
た新型を、近々購入するそうだ。ＳＡを後にして更に西へとバイクを走らせる。大
井松田ＩＣには９：００過ぎに到着。取りあえず国道２４６号線を山北町方面に進
んでいく。酒匂川沿いのこの道は渓谷沿いの蛇行ルートで交通量が多く、おまけに
途中で道路工事をやっているので、片側交互通行がある。新鞠子橋から県道に分岐
し、湯沢川沿いに舗装路を登坂していくと左手に退沢橋があり、橋の上に進入を拒
むワイヤーロープが張ってある。この先は地図で確認すると【退ヶ沢林道】【鳥手
山林道】が存在するが、いずれも確認できなかった。再び舗装路を登坂していくと
右手に酒匂ロイヤルゴルフクラブの入り口があり、そのまま直進するとフラットな
ダートが始まる。ダートを１ｋｍ程走ると採石か何かの工事現場が目の前に広がり
この先へは進めなくなる。ここで折り返す事になるが、左手に支線林道が確認でき
る。しかし残念ながらチェーンで規制されていて入れない。ささやかなダートを楽
しんだ後、ピストンでルートを戻り、再び国道へ出る。県道３９４、１４９号線を
経て、所嶺から県道３６５号線にて足柄峠方向へ登坂する。途中左手に舗装された
林道が下りで一本あるが、この林道は１００％舗装で駿河小山駅へと続いている。
更に少し進むと、左手に【林道大沢線】が舗装路で分岐している。ここで林道から
出てきたライダーに出逢い、話をしたところ、しばらく下っていくとダートが結構
残っているが、倒木が無数にあって引き返してきたと言う。何も積んでいないオフ
ロードバイクで通り抜けられないのだから、私のバイクでは完全に無理だろう。し
かしその現場まで行ってみることにした。途中に枝道が２カ所程あるが、１本は地
元の人らしきオジジ、オババが車を停めて昼飯を食べていたので通過できず、未調
査。本線のダートを下って行くが、林の中に入っていくと倒木が目立ち始めてきた
。最初は木の下をくぐったり、何とがこなしてきたのだが、いよいよ通過できない
ポイントに達してしまう。ここで引き返すことになるが、往復でそれなりのダート
を楽しむことができた。再び県道を足柄峠方向へ登坂する。しばらくすると右手に
分岐する舗装路があり、九十九折りで足柄駅方面へ続いている。このルートを下り
、途中右手にひっそりと分岐している【林道戦返戦】へアプローチする。この林道
は地蔵堂川に沿って続く、静かな林道で２ｋｍ程のダートが楽しめる。但し途中で
倒木があり、右側を少し回り込まないと、このポイントはクリアすることができな
いので要注意だ。ひっそりとした林道を抜けると足柄駅の近くに出る。近くの日石
で給油を行い、駅の西側にあるフードショップで昼食を求める。弁当が売り切れて
いたのでカップヌードルを買い、お湯を頼んだところ、割り箸代とお湯代で１０円
おばちゃんに取られた。遅いランチを食べた後再び【林道戦返戦】を逆行して舗装
路へ出る。少し下ったところの左手に【林道竹之下金時線】が鋭角に分岐している
。この林道はゲート等が無く、すんなりと進むことができる。おまけにダートがい
きなり始まるので結構気に入っている。しばらく進むと分岐があり、右手は５００
ｍ程で行き止まりとなる。この辺はハイキングしている人が多く、５０人くらいの
団体ハイカーに出逢った。分岐の左手は更にダートが山に向かって続いている。入
り口から２．５ｋｍ程のポイントで突き当たりのＴ字路になる。ここが【金時林道】
への接続地点だ。右手には結構雪が残っているが、バイクの轍があるので思いのほ
か楽に進むことができる。下りダートは日の当たる場所と日陰の場所では、全く路
面状態が異なり、落ち着いて走ることは出来ない。この先の国道１３８号線側のゲ
ートはバイクも通り抜けることは出来ないので、適当なところで引き返すことにし
た。先程の接続地点から登り方向へ進むと日陰部分が少ないので雪はほとんどない
。適度に荒れたダートを登りつめていくとゲートに辿り着くが、当然閉まっている
のでそのまま引き返すことにした。【林道竹之下金時線】を迂回すると【金時林道】
を走れる結果となったが、何故分岐林道の規制もしていないのか不思議だった。再
び舗装路へ戻り、足柄峠を目指して登坂する。足柄峠付近は、やはりハイカーが多
く、オジサンとオバサンたちで賑わっていた。峠から県道７３１号線になるが、こ
のルートは基本的にダートがメインである。右手に先程の金時林道のゲートを見な
がらしばらくダートを進むと、右手に富士山を望める絶好の幕営スポットがある。
今夜はここにキャンプすることにした。地面のお清めをしてからテントを張り、一
人ビールで乾杯する。稜線沿い標高８００ｍのロケーションのため、強風に備えて
張り綱を多めにペグダウンした。今夜のメニューは賞味期限の過ぎたフリーズドラ
イ（キムチピラフ）、サンマと大和肉の缶詰、酒二合（秋田県荒政）である。相撲
を聞きながらの晩酌、そして夕日に映える富士山がとても美しかった。
＜２日目 晴れ＞
６：３０起床。風は微風でとても静かな夜だったので、グッスリと眠れた。朝方
一回起きたが、その時テントの中で氷点下３度だった。朝食は昨日仕入れたベルギ
ーワッフルと賞味期限の過ぎたフリーズドライ（ドライカレー）、そしてお決まり
のコーヒーである。天気は今日も快晴で気温も上がるらしいので、のんびりとクロ
ージングを行い、キジ打ちを行ったあと９：００頃出発した。林道を奥まで進むと
行き止まりとなり、ここから先は遊歩道になっていて諸車通行止めの看板が出てい
る。ここで折り返すことになるが、ここから足柄峠までのダートは約２ｋｍである
。路面はフラットで車線も全体的に広いので走りやすい。神奈川県と静岡県の県境
尾根を進むスカイラインダートだ。足柄峠からは県道７８号線に分岐し、神奈川県
側に下っていく。九十九折りの舗装路を下っていくと右手に【和田山林道】が分岐
している。二重のゲートは開いていたが、工事中の為一般車両は通行禁止になって
いる。ダートが２ｋｍ以上はありそうだが、諦めてそのまま進んでいく。地蔵堂か
らは県道から外れて【黒白林道】の入り口へ行ってみたが、凍結のため通行止めに
なっていた。（去年の２月に自転車で来たのだが、その時もゲートは閉じていた）
再び県道へ戻り、矢倉沢まで一気に下った後、狩川沿いにある【川入林道】で再度
山の方へ登り返し、【明神林道】へアクセスする。この林道は去年の今頃は５００
ｍ程ダートが残っていたが、とうとう１００％舗装されてしまった。等高線沿いに
緩やかにアップダウンを繰り返すこの林道には、何本かの支線林道がある。右手に
【苅野林道】があり、山へ向かって延びている。この林道も舗装されていて、しば
らくすると【林道足柄線】に名前を変える。その場所には【通行禁止１．９ｋｍ先
ゲートあり】の看板があり、更に舗装路を登坂していくとダートに変わる。ダート
に変わって５００ｍでゲートに遭遇し、ここから先は予告通り入れない。この近く
から沢沿いに【一の沢林道】が下りで分岐しているが、舗装工事中で通行止めにな
っている。再び【明神林道】戻り、林の中を進んでいく。この林道の出口は足柄森
林公園の入り口になる。この周辺には【弘西寺林道】【猿山林道】【古屋敷林道】
などが存在する。林道を一旦退出して仁王門前から県道７２３号線で最乗寺方向へ
登坂する。この辺のルートは花粉症の人か卒倒するくらい杉の木が多い。しばらく
進むと左手に【明星林道】がゲートも無く分岐しており、いきなりダートが始まる
。橋を渡ってすぐ左手に、支線である【ツバキ林道】が全線ダートで分岐している
。この支線林道には名前の通りツバキがたくさん植えられていて、きれいな花がい
くつか咲いていた。ダートは片道１．５ｋｍである。さて本線を進むことにする。
【明星林道】自体はほとんどがダートで、自転車だったら結構ボーンシェィクが楽
しめる程度荒れている。等高線沿いにアップダウンを繰り返していくと、右手に舗
装された【クロガネ林道】が分岐している。１．９ｋｍ程登坂すると、二股に分か
れるが、車止めがあるので４輪は入れない。右手は【大日陰林道】で、一車線のフ
ラットダートが２．４ｋｍ。行き止まりには更に作業道らしき道筋が続いているが
、急勾配で落ち込んでいるのでパスした。左手は【中沼林道】で、こちらは全線舗
装１．４ｋｍのつまらない林道である。再度本線に戻り、しばらく進むと変形十字
路に出る。右手には【さざんか林道】が分岐しており、舗装されて山へ向かって延
びている。この林道はしばらく行くとダートに変わり、【林道足柄線】に名前を変
える。総延長１１，５９２ｍの掲示があるので、ゲートの閉まっていた【苅野林道】
側へ続いているのだ。この場所にはゲートがあるが、開いているのでそのまま進ん
でみる。きれいに舗装された部分の多い道筋を進んでいくと、ダートが始まる。標
高が高いので、右手には雪化粧した丹沢山塊が遠くに見える。いい気分でダートを
掛け登っていくと左手に【林道桧山線】が分岐しているが、工事を行っている為通
行できない。本線はダートのまま下り傾向となり多少荒れてくる。ダートが始まっ
て５．６ｋｍの地点で、ゲートに辿り着いたがこの時間は開いていた。ここでＵタ
ーンし、再びダート走行を楽しんだあと【明星林道】へ舞い戻る。この辺の徘徊で
結構時間を喰ってしまったので、少しピッチを上げることにした。この先はダート
まま【和留沢林道】へ道が続いている。この林道の途中右手に【三竹山林道】とい
う細い林道があり、竹林の中を進む往復約５ｋｍのダートを楽しむことが出来る。
【和留沢林道】を退出すると舗装された【久野林道】へ飛び出す。ここからは舗装
された山道をグングン登り、高度を稼いでいく。途中で工事をやっているので、工
事の進行状況によっては通れない場合があり得る。このポイントを過ぎると待望の
ダートが始まるので、嬉しくなってしまう。【久野林道】もまだまだダートが残っ
ているのだ。ダートと舗装道路が混在しているので、ここもおそかれはやかれ完全
舗装化が待っているようだ。途中左手に舗装された【林道釜石線】が分岐、更に右
手に【足柄久野林道】が分岐しているが、こちらは工事中で通行止めになっている
。ダートを更に進んでいくと左手鋭角に【久野冷水河原線】がダートで分岐してい
るが、こちらはしっかりとゲートが閉じている。【久野林道】のダートは突き当た
りの舗装路で終わり、ここからは更に一山越えて箱根の宮城野温泉へ向かう。走り
やすいワインディングルートで、山の上の方から温泉街が箱庭のように見える。宮
城野温泉からは国道１号線で箱根湯本方面へ向かい、ガソリンを満タンにした後、
小田原西ＩＣから小田原厚木道路を経て千葉へ向かい、帰路についた。
以上