年の瀬も押し迫った12月28日。今年最後の1日休みだから、ゆっくりウチで休んだほうが賢明かと思案していたが、どうしても気になって仕方ない林道が房総半島にあり･･･。色々と考えた末、林病に打ち勝つことも出来ず、ケツをまくって出かけることにした。今回はバイクで走ることの出来ない林道だから、調査は徒歩か自転車しか選択肢のない人力調査。去年この時期にレストアを完了させたランドナーを利用して、テストランを兼ねて【林道浜荻線】の完抜工事の現況を確かめに日帰りで出陣することにした。ランドナーで未舗装の林道を辿るのは、かなり久し振りのことなのである。地元房総半島ということもあり、自宅を8時過ぎに出発。トランポに自転車を積んで、日帰りの荷物はフロントバッグひとつに全てをブチ込んだ。いつもどおりの定番ルートで安房天津まで行きたいところだが、先般の君津市国道410号線のトンネル崩落事故の影響で通行止めあり。迂回して房総スカイラインを経由して現地へ向かったので、予定より遅れて太平洋側の海岸へ到着した。二夕間海岸の駐車場はいつも利用している定番のデポ地。ここへトランポ号を停めてランドナーで調査へ向かう。

街中を抜け、浜荻踏切を越えてから沢沿いに続く【林道浜荻線】へアプローチ開始。幾度となく訪れている林道なのでもう地図は必要ない。緩い勾配でジワジワと登坂して行くとクリーンセンターがあり、ここを過ぎてしばらくすると左手に火葬場が現れる。この地点からダートが始まるのだが、今般新設ゲートが設置されてバイクは通り抜けできない状態になった。

ゲート出来たということは、裏を返せば林道が開通したという自己中心的解釈も出来る。一般車両通行禁止の表示があるが、自転車はエンジンなしの軽車両なので法律的？には枠外と解釈する。勿論徒歩である登山者なら更に問題はない。ゲートの横を抜けて本線林道を辿り始める。沢沿いのフラットダートは勾配も緩く、苦しむことなく乗車して走ることが出来る。景色が開けるまではしばらく登坂。

最初に出合う小規模崩落現場。そして大木が道路を塞ぐ道路遮断。そして3つ目に現れた大規模な崩落現場は、房総半島の林道レベルとしては大きな崩れ方だ。まともに通過することはできない。まずは徒歩でルーティングの確認。足場の良さそうな箇所を模索して頭に叩き込む。自転車は担いで通過するしかないので荷物は一旦取り外し、最軽量の状態で崩落箇所を乗り越えた。荷物は荷物で運ばなければならないので二往復の崩落越えである。本日最大の難関をクリアし、いよいよ肝となる未完区間の完抜確認だ。うる覚えのある周囲の景色が視界に入り、前回及び前々回調査時の記憶が一気に蘇ってきた。あの未完区間部分だけ綺麗に舗装され、ガードレールまで据付されている完璧な完抜となっていた。これで【郷台林道】との接続が線上では実現したが、双方共に一般車両通行禁止の厳重なゲートで管理されている以上、エンジン付きの乗り物では今後も辿ることは不可能なのだろう。

完抜の確認を行い、そのまま接続点先の林道浜荻線を辿る。前回こちら側は全て踏査で確認したルートだ。この区間が一番のハイライト区間。緩い下り勾配のダートが続き、郷台林道から分岐する名無林道との接続点に到達した。分岐手前のところで小休憩。以前もココでブレイクした場所だ。サーモスに入れてきた19円ブルックスコーヒーを有り難く飲む。昼飯は下山してから何処の食事処に寄る予定なので行動食だけで場を凌いだ。接続点を右折して登坂。郷台林道への分岐点へ向かう途中に初めて見る新設ゲートを確認した。勿論ガッチリと閉鎖されている。そもそも郷台林道の双方がガッチリゲートで閉鎖されているなら、こんなゲートは作る意味がない。これも税金の無駄遣いじゃ。

ゲートの横をスルーして郷台林道へ接続。分岐を右折して本線林道を辿り、清澄寺側ゲートを無事に退出した。このポイントから主地道81号線へ合流して、海岸線までのダウンヒルを楽しむ。「登りあれば下りあり」の自転車特有の喜び感をしっかりと楽しむ。これ登山にはない醍醐味なり。山腹の途中に建設中のループ橋はまだ未完成の様子。だいぶ前から工事をしているようだが、かなりチンタラと進めている感じだ。いい加減早く作りなさいよ。さて快調に高度300メートルを下り、天津地区へ到着。標識に従い街中をしばらく走れば二夕間海岸の駐場テポ地へゴールだ。

二夕間海岸で海を見ながら一息。ここは落ち着く良い場所だ。帰路は鴨川を抜けて長狭街道へ。ツーリングマップルに記載さてれいる食堂「名代亭」へ立ち寄ることにした。昼の時間は大幅に遅れていたので客は1組のみ。落ち着いて名代定食を頂けました。今年の締め括りは自転車で林道を辿る最高のフィニッシュを迎えられ、何とも満足度の高い1年でした。来年もこのペースで頑張りますよ〜。