【旅日誌 ＶＯＬ．20：四時川林道他】 実走 平成８年６月中旬
＜１日目 雨後晴れ＞
関東は梅雨の真っ盛りである。千葉は朝から雨がパラついていたが、常磐自動車道
を車で北上するにつれて、雲の切れ目から薄日が射してきた。どうやら北関東の方
は梅雨前線の影響を受けていないようだ。いわき勿来Ｉ・Ｃに着いたときは既に晴
れ間の方が多くなってきた。国道２８９号線を四時ダム方面へ向かい、デポ地の予
定である【グリーンロッジ四時】を目指す。大きな看板が出ているので、見落とす
こともなく無事に０９：３０に到着した。この施設は温泉も完備しているので日帰
り入浴も可能なのだ。林道を走った汗まみれの体を、ここで洗い流す予定である。
自転車をキャリヤから降ろし出発の準備も完了、今日はキャンプをするわけでもな
いので軽装備である。国道までは短い急坂を登坂しなければならない。国道に出て
からは、緩いアップダウン傾向の道を快適にペダリングしていく。しばらくすると
左手に四時渓谷方面へ分岐する道があり、ここからは国道をはずれてこのルートを
進んでいく。しばらくすると道は登りにさしかかり、深い林の中へ入り込んで行く
ことになる。道は完全に舗装されてしまっているが、とても静かで味わい深い山道
である。ここは四時川渓谷を横に見ながら走ることができ、今の季節は新緑がとて
も美しい。紅葉の時期はさぞかし素晴らしい景観が味わえること請け合いである。
この道を抜けきると道は二股に分かれるので、左手に進み【弥太郎林道】へ進むこ
とにする。５００ｍ程進むと道は更に【目兼林道】へと分岐している。最終的には
この辺の林道を全て走り、周回してくる予定なので【弥太郎林道】の方へ自転車を
走らせる。この林道はよく整備された林道で、緩い上り坂傾向である。しばらく進
むと右手に【藤ノ木沢林道】が分岐しており、こちらのほうへ進むわけだが、左手
に続くダートは花園渓谷へつながっているらしい。林道ガイドにはそう掲載されて
いるのだが、こっちへ進んでしまうと周回出来なくなってしまうのだ。【藤ノ木沢
林道】の入り口は広場風になっていて、ここでは林業関係の作業をしていた。林道
入り口の鳥居を過ぎて奥へ入って行くが、ショートコースながらウネリのある箇所
も多く、走りごたえがある。途中に道標のない分岐地点があるが、左手に下ってい
けば正解である。下り終わると道がＴ字路になるが、ここは右手に進み川沿いに進
んでいく。しばらく下ると左手に藤ノ木橋が見えて、ここを渡ると男犬平の集落が
遠くに見える。橋を渡って左手に進むと【四時川林道】の入り口が見えてくる。入
り口にある通行止めの看板は錆れていて、とてもいい雰囲気を醸し出している。こ
こからは左手に四時川を眺めながら心地よいダートを進んでいく。林道の途中でス
トーブとコッヘルを使って、手早くフリーズドライのピラフを食べたが、この辺は
ブヨが多く飛んでいて結構気になる。頭にタオルを巻いて再び森の中を走り出すが
、顔の回りをずっとブヨが飛びながらついてくる。本当にやっかいな連中である。
ルートは緩い登り坂が続くが、安定したピッチで進んでいくことが出来る。全線ダ
ートのこの林道は約１０ｋｍで、出口に近づいてくると人家が左手に見えて来る。
そして最後の上り坂を迎えると道幅が急に広くなり、国道へ突き当たってダートは
終わる。ここからは国道を四時ダム方面へ進んでいく。しばらく登り坂が続きピー
クを過ぎると、気持ちの良いダウンヒルを楽しむことが出来る。途中でティーブレ
ークを取り、再び下りだすことにする。しばらくすると右手を流れる川に橋が架か
っており、ここから【江尻横川林道】が始まる。この林道は全線舗装されていて、
小さなピークを越えるショートコースである。完全に下り終わると左手に古い橋が
あり、こちらへ進むと午前中に通過した四時川渓谷のほうへ進む道と合流すること
ができる。周回を終えて四時川渓谷沿いの道を逆ルートで引き返していく。国道へ
合流し、グリーンロッジ四時に着いてから温泉に入ってゆっくりとした。入浴後自
転車を車に積み、四時トンネルの手前にあるパーキングエリアに車を止めて、車中
泊した。
＜２日目 曇り＞
天気はどんよりと曇っている。今日も近辺の林道巡りである。朝一番で国道の少し
先にある【仏具山林道】へアプローチする。入り口から結構荒れ気味の路面が顔を
のぞかせる。林の中をしばらく登っていくと道は二股に分かれるので、ここは右手
のルートを進んでいく。この辺は静かな林の中を進む林道らしい道筋なのだが、し
ばらくすると回りの景観は変わり、細く険しいダートになってくる。途中に路肩が
崩落している箇所があり、車は通行できない。車は滅多に通ることがないようで、
周りの草たちが林道に覆い被さる箇所がたくさんある。路面は石ころが多くてすこ
ぶる歩きづらい。約５ｋｍ程の登りを終えるとピークを迎えるが、ここで我慢して
いたキジ撃ちを行った。すっきりしたところで下りのダートに取りかかるが、道幅
が狭く、おまけに草が両側からたくさん覆い被さっているので非常に走りづらい。
車だとジムニークラスが限界といったところだ。路面は登りより落ち着いており、
約５ｋｍ程で【目兼林道】に突き当たる。この林道を左手に進んでいくとしばらく
ダートが続いている。通行止めの看板が出ているがゲート等の規制は特にないので
そのまま進んでいく。この林道は路面も安定しており、なかなか雰囲気の良い林道
だ。途中には伐採地などがあって、いきなり森が開けてしまうところもある。林間
のダートをしばらく進んでいくと何本か支線があり、興味をそそられるがチェーン
で規制されている。下り傾向の林道を退出すると集落に出て、国道２８９号線に合
流する。ここから四時ダム方面へ進み、トンネルを過ぎたところでデポ地に到着し
車に愛車を乗せて、千葉への帰路についた。
以上